コラム
調停に弁護士をつけることは、法的な要件ではありません。
従って、調停に弁護士は必ず必要ではなく、当事者だけで対応することが可能です。
調停は、訴訟のように当事者が主張・立証を行い、それに基づいて裁判所が法的判断を下す手続きではなく、あくまで話合いを行う手続きです。
そして、調停手続きにおいては、調停委員が中立的な立場で話合いの間に入ってくれますので、弁護士に依頼せずにご自身で対応するケースも少なくありません。
しかしながら、調停委員はあくまで中立の立場ですから、必ずあなたの味方になってくれるわけではありませんし、法律の専門家ではないことも多いため、法的な検討が必要となる点が見落とされてしまうこともないとは言えません。
また、事案によっては、訴訟に発展する可能性も踏まえて、調停段階から緻密な主張・立証計画を立てたうえで対応しておくべき場合もあります。
例えば、離婚原因について争いがある場合や、親権や養育費、面会交流について強い対立がある場合、不貞問題が絡む場合、財産分与の内容や方法について争いがある場合などは、主張や証拠の選別と出し方、反論の仕方などに工夫が必要です。
そのような場合は、法律の専門家である弁護士に依頼をする必要性は高いと考えられます。
弁護士に依頼するメリットとしては以下のようなものがあります。
◆法的な観点から交渉できる。
◆必要な書類の収集や選別をしてもらえる。
◆早期解決が望める。
◆事後のトラブルを予防できる。
◆心理的な負担が軽減できる。
他方で、弁護士に依頼するデメリットは、弁護士費用を負担しなければならない点があげられます。
相手に既に弁護士がついている場合には、調停の対応の力量に差が生じてしまうことは避けられません。
弁護士は交渉に長けていますので、相手方のペースで話が進んでしまい、相手方の主張に対して十分に反論できないまま結論が出されてしまうおそれもあります。
従って、相手に弁護士がついている場合には、こちらも早い段階で弁護士を依頼したほうが安心です。