コラム

ハーグ条約について

ハーグ条約が適用される事例について解説します。

 

1 ハーグ条約とは

ハーグ条約とは、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」のことを言い、国境を越えた子どもの連れ去りが起きた際の国際協力の仕組みや、国境を越えた面会交流の実現に向けた国際協力について定めています。

日本では、平成26年4月1日にハーグ条約が発効しています。

例えば、アメリカに住んでいたアメリカ人の夫と日本人の妻が離婚協議中に、妻が勝手に子どもを連れて日本に帰国してしまった場合に、ハーグ条約の適用が問題になります。

 

2 子の返還が認められるための要件

ハーグ条約によって子の返還が認められるためには、以下の要件全てを満たす必要があります。

 

① 子が16歳未満であること

② 子が日本国内に所在していること

③ 常居所地国の法令によれば、子の連れ去りまたは留置が申立人の監護権を侵害するものであること

④ 当該連れ去りの時または留置の開始の時に常居所地国が条約締結国であったこと

 

3 返還が拒否される場合

上記の要件を満たす場合であっても、以下の事由がある場合には、子の返還が認められません。

 

① 子の連れ去りまたは留置開始のときから1年以上経過した後に裁判所に子の返還の申立てがなされ、かつ、子が新たな環境に適応している場合

② 申立人が連れ去りまたは留置開始のときに現実に監護権を行使していなかった場合

③ 申立人が連れ去りの前もしくは留置の開始の前にこれに同意し、または事後に承諾した場合

④ 常居所地国に返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすこと、その他子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険がある場合

⑤ 子の年齢及び発達の程度に照らして子の意見を考慮することが適当である場合

⑥ 常居所地国に子を返還することが我が国における人権及び基本的自由の保護に関する基本原則により認められない場合

 

ただし、④と⑥の要件については、当該事由が存しても、裁判所が一切の事情を考慮して子を返還することが子の利益に資すると認める場合には、子の返還を命じることができます。

 

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