コラム
結婚をすると、夫婦2人の関係だけでなく、配偶者の父母とも親族関係が発生します。
法律上、その関係を「姻族(いんぞく)」と言います。
実際の結婚生活においても、一般的に、夫や妻の父母とも交流する機会が増え、時にそれが夫婦関係に良くない影響を及ぼしてしまうことも現実には少なくありません。
・親が子離れできていないケース
子どもが結婚しても親がいつまでも子離れできず、何かと世話を焼きたがることがあります。
親自身は、子どもにとってもそれが良いことと信じている面があるため、配偶者が内心では嫌だと感じていても全く気が付きません。
・配偶者と義父母の関係がうまくいかないケース
いわゆる嫁姑問題のように、何かにつけて衝突が起きてしまう場合があります。
例えば、親が過度に夫婦の家庭に干渉し、あれこれと自分の価値観を押し付けてくるような場合は、配偶者にとっては大きなストレスになります。
親との不仲や過干渉は、それだけでは直ちに離婚原因とはなりません。
法的に離婚原因となるか否かはあくまで夫婦間の問題であり、舅姑との関係は直接には関係しないからです。
ただ、例えば、夫の両親の過干渉により婚姻生活に重大な支障が生じているのに、夫がこれに全く無関心だったり、親に絶対服従の態度だったりして、そのせいで夫婦間の信頼関係が崩れて修復の余地がなかったりするような場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚原因となる可能性があります。
以上の通り、配偶者の親との関係で悩んでいる場合には、まずは配偶者に協力してもらってその改善を試みるべきでしょう。
それに対して、配偶者が全く協力しないような場合には、その配偶者との問題として、法的な離婚原因の存否の問題となります。
次回のコラムでは、親との関係が離婚原因となるか否かが実際に争われた裁判例をいくつかご紹介します。
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