コラム
夫婦関係が破綻して回復の見込みがない状態にある場合であっても、離婚を求める当事者の側に破綻の原因がある場合には離婚請求が認められないことがあります。
例えば、自分が不貞・不倫をしたことによって夫婦関係が破綻してしまったときに、不貞をした側の配偶者から離婚請求をするような場合です。
これは、いわゆる「踏んだり蹴ったり判決」と呼ばれる判例で示された法理です。
この判例では、夫が妻を差し置いて愛人をもち、妻との婚姻関係の継続が困難になった場合に、夫からの離婚請求を棄却したものです。
その後、昭和62年に判例理論が変更され、有責配偶者からの離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれることが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、有責配偶者からの離婚請求であっても認められる余地があるとされました。
さらにその後、未成熟の子の不存在という要件についても、未成熟の子がいたとしても、他の事情を総合考慮し、離婚請求が信義誠実の原則に反しない場合には離婚請求が認められるとした判決が出され、緩和されています。
以上のとおり、離婚を求める側に離婚原因がある場合であっても、有責性の程度や別居期間、子どもの有無や経済状況などによって、離婚請求が認められるケースは決して少なくありません。
弁護士にご相談いただければ、裁判になった場合の見通しなどをお伝えすることが可能ですので、まずはご相談ください。
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