コラム
自分の知らない間に勝手に婚姻届を出され、戸籍上夫婦となってしまったような場合、戸籍を訂正するためには、婚姻が無効である旨の審判や判決が必要とされています。
民法では、婚姻無効確認の訴えというものが規定されていますが、調停前置主義が取られているため、まずは家庭裁判所に、婚姻無効の調停を申し立てる必要があります。
調停のなかで、相手方と合意ができない場合には、婚姻無効確認の訴えを提起することになります。
婚姻が有効に成立するためには、婚姻届けの提出と、婚姻意思が存在することが必要です。
したがって、勝手に婚姻届けが提出された場合には、婚姻意思がなかったことを証明する必要があります。
裁判例では、婚姻届に署名したときには脳内出血のため痴呆様症状等があり、公的書類の認知判断能力が疑われたもの、覚せい剤の影響等によって正常な精神状態にないときに作成された婚姻届出によるものを無効と判断した例があります。
なお、婚姻意思の存否についてどのように考えるかは諸説がありますが、例えば、共同生活を予定せずに子に嫡出性を付与するために便宜的に届出をした事例では、「当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思」が存しないとして、婚姻意思が否定されました。
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